手術中のリスク

白内障手術は最も安全な手術の1つですが、全く危険がないとはいえません。可能性はかなり低いものですが、以下のようなリスクが起こりうることを予め知っておいていただきたいと思います

〇ショック

点眼麻酔により危険はほぼ無くなりましたが、キシロカインなどの麻酔でショックがおきることがあります。当院では、麻酔科医師による立会いの下で手術を行いますので、万一の場合、直ちに然るべき処置をとります。救急医療施設へ搬送する場合もあります。

〇駆逐性出血

手術中に眼圧が下がることによる脈絡膜からの出血のことです。超音波白内障手術の導入以前は、駆逐性出血が原因で失明することがありましたが、超音波白内障手術の導入により頻度は少なくなり、駆逐性出血による失明もほとんどなくなりました。万一発生した場合、一旦手術を中止し、後日続行することになります。

〇後嚢破損

手術中に水晶体の袋が破れることです。後嚢破損を生じても眼内レンズの挿入は可能で、視力予後もおおむね良好ですが、視力の回復が遅れたり手術が2度にわたる場合があります。